不動産登記の必要性
不動産登記とは、不動産(土地や建物)の一つ一つについて、所在、大きさ、用途、所有者の住所氏名などの情報を記録することをいいます。記録された帳簿は不動産登記簿と呼ばれ一般公開され、誰でも閲覧できます。
身も蓋もないことを申し上げると、新築の建物を除いて、不動産所有者が登記をする義務はありません。義務でなければ、決して安くはない登録免許税を納め、司法書士に登記申請の報酬を支払ってまで登記をするのは必要ないことのように思います。しかし、いざマイホームを建てたり、不動産を売却したいとなったとき、不動産登記をしていなければ金融機関で住宅ローンを組むこともできませんし、登記のない不動産に買い手はつきません。ここでは、事例別に、どのような登記が発生するか、その登記の必要性をご紹介します。
※必要書類については、基本的なもののみ記載しております。事例によって異なる場合がありますので、お問い合わせください。会社・法人の場合は、登記事項証明書が加わります。
※登録免許税については、減税措置適用前の税率を記載しております。
- 不動産所有者の住所・氏名を変更したとき⇒登記名義人の住所氏名変更登記
- 引っ越しや婚姻等の事情により、登記上の記載が現在の住所・氏名と異なる場合にする登記です。転々移転し長期間変更の登記をしていない場合、いざ不動産を売却したり担保設定をしたりする際に余計な費用がかかることが往々にしてあります。引っ越しをされた場合は都度変更登記をすることをおすすめします。
◎必要書類 :住民票の写し(個人)
◎登録免許税:不動産1筆につき1,000円
- 売買・贈与等により、所有者が変わったとき⇒所有権移転登記
- 例えば、売主Aが買主Bに土地を売却しました。Bはまだ、土地の所有権移転登記を受けておらず、登記上はA名義のままだったとします。このとき、Aは二重に売却代金を獲得したいと思い、Cにも同じ土地を売却したとします。Cは、AとBの売買契約を知っていましたが、先に登記名義をCに移してしまいました。残念ながら、この土地は先に登記を備えたCのものになります。Bは先に契約し、土地の代金も支払ったのにです。なぜなら、BにとってCは第三者で、「第三者に対して不動産の権利を主張するには登記が必要」というルールがあるからです。
したがって、不動産取引をしたら、すぐに登記手続をすることが求められます。
◎必要書類(売主):登記識別情報(又は登記済証)、登記原因証明情報、印鑑証明書、固定資産税評価証明書
◎必要書類(買主):住民票の写し
◎登録免許税:不動産の評価額×1000分の20
- 相続が発生したとき⇒所有権移転登記
- 不動産の所有者に相続が発生した場合、その不動産を相続する人への所有権移転登記をします。
相続登記は義務ではありませんが、不動産を売却する際や融資の為の担保設定の際には、必ず相続登記を経る必要があります。(前述のとおり、不動産登記をしていなければ金融機関で住宅ローンを組むこともできませんし、登記のない不動産に買い手はつきません。)
相続登記を放置したまま相続人が亡くなり更に相続が発生すると手続は長期に及び、法定相続人が増えに増え、相続関係が混迷を極めて結局売却ができずに更に放置…ということになりかねません。後世に負担を残さないためにも、相続登記は早めに済ますことをおすすめします。
相続手続の流れは相続・遺言・贈与のページからご確認ください。
◎必要書類:被相続人の出生~死亡までの戸籍、遺産分割協議書と印鑑証明書(遺言書があれば遺言書)、相続人の現在戸籍、不動産を相続する相続人の住民票の写し、固定資産税評価証明書
◎登録免許税:不動産の評価額×1000分の4
- マイホームを建てたとき⇒所有権保存登記、抵当権設定登記(住宅ローンがある場合)
- 建物を建てたら表題登記をする義務があります。表題登記は土地家屋調査士の業務範囲ですので、まずは土地家屋調査士に依頼しましょう。※土地家屋調査士と提携しておりますので、ご紹介も可能です。紹介料はかかりません。
多くの方は新築建物と土地を担保にして住宅ローンを申し込みますが、通常、融資の担保にできるのは登記済不動産です。未登記不動産を担保に融資を受けることはできません。つまり、必然的に登記を要します。
表題登記をしたあと、所有権保存と抵当権設定の登記をします。
◎必要書類:所有権保存⇒住民票の写し、住宅用家屋証明書 抵当権設定⇒印鑑証明書、金融機関から交付される書類一式(委任状、設定契約書(登記原因証明情報)等)
◎登録免許税:所有権保存⇒不動産の評価額×1000分の4 抵当権設定⇒債権額×1000分の4
- 住宅ローンを完済したとき⇒抵当権抹消登記
- 住宅ローンを完済すると、金融機関から抵当権抹消のための書類が郵送されます。完済により債務が消滅しているとはいえ、担保権の登記が付いたままの不動産では市場価値が下がります。放置すると、書類の紛失や金融機関の合併などにより余分に書類が必要になりますので、やはり早めに抹消登記をすることをおすすめします。
◎必要書類:金融機関から交付される書類一式(委任状、解除証書(登記原因証明情報)、(登記識別情報(登記済証)等)
◎登録免許税:不動産1筆につき1,000円
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